一九七〇(昭和四十五)年十二月、一九五四年に公布された『清掃法』が廃止されて、新しく『廃棄物の処理及び清掃に関する法律』が制定された。この法律は、同年十二月に開かれた第六四臨時国会(主として公害関連法案を審議したので、後に「公害国会」と呼ばれるようになった)で、『公害対策基本法の一部を改正する法律』『水質汚濁防止法』『海洋汚染防止法』など一四の公害関係法律とともに審議され、成立した。『廃棄物の処理及び清掃に関する法律』は、廃棄物の質的な変化と量的な増加現象に対応して、事業者・市町村・都道府県・国の責務を明確にし、廃棄物を一般廃棄物と産業廃棄物に分けて、それぞれの処理体制と処理規制(処理基準・処理業・処理施設など)を定めている。この法律では、法制定の目的を「廃棄物を適正に処理し、及び生活環境を清潔にすることにより生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ること」としており、ごみ処理を生活環境の保全、公衆衛生を向上させるための施策としている。また、「廃棄物」を、ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体、その他の汚物、または固形状・液状の不要物としている。さらに「廃棄物」を「一般廃棄物」と「産業廃棄物」に分け、「産業廃棄物」は、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類、その他と定め、以前の法律である『清掃法』に比べて廃棄物が多様化してきたことを示している。この法律の規定からも、一九七〇年代に入ったころから、日本のごみ問題で産業廃棄物の問題が大きな課題となってきたことがわかる。『廃棄物の処理及び清掃に関する法律』の施行後も、一般廃棄物としてのごみや粗大ごみは増え続け、これに対応すべく市町村のごみ焼却炉の規模は年々大型化してきた。また、ごみの焼却にコンピュータ制御方法を採り入れるようになり、ばいじんなどを取り除くための設備(高性能の電気集塵機、湿式有害ガス除去設備、窒素酸化物を取り除くための脱硝設備)や、ごみ発電の施設を伴った焼却場(清掃工場)が建設されるようになってきた。こうして、ごみと日本人の関係は熾烈さを増していくこととなった。