リュー・ド カンボンのシャネルのサロンを訪ねた。ココ・シャネルがリュー・ド カンボンにメソンを構えたのは、一九二八年。第二次大戦中にはお店を閉めて引退し、ドイツ人の士官と交際していたとかで、フランス人には印象が悪かったようだ。しかし戦争が終わって、やっぱり自分はモードを創る人間だと、一九五四年に再びこの世界へ戻ってきたのである。シャネルのショーでは、サロンのマダムがカードの番号を読み上げるだけで特別な演出はないのに、お客の期待がみなぎって独特の雰囲気。モデルたちのスタイルというのか、ちょっと背中を丸めてカードをかかげて出てくる。本物のシャネルスーツは素敵だった。春夏のコレクション発表なので、日本でいうネイビーブルーの服が多く、季節を感じさせた。日本では男性が紺かグレーの背広を着ていた時代で、学校の制服も紺だったから、紺というのはユニホームという感じが強かったが、シャネルの紺は新鮮な印象を感じさせた。