集団指導の塾とは違う

2011-07-27

「やれば、だれだってできるようになる」ある講師が、某個別指導塾に入ったときに、室長からこう教えられました。正直言って、それは理想論であり、子どもに本当にわからせることは難しいと思っていました。集団指導の塾とは違い、個別指導の塾に来る生徒は、その多くが勉強が「できない子」か、できる力は持っているが勉強を「やらない子」かの二つのパターンしかいない、と考えていました。こうした生徒たちに「やればできる」ということをわからせることは、非常に難しいと思っていたのです。しかし、その後、二年半ほど、講師として働くうちに、「できない子」ができるようになっていく例をたくさん目の当たりにしました。自分が担当した生徒も想像以上にできるようになっていきました。印象に残っているのは、中学3年の男子生徒です。担当し始めたころは、数学の模擬試験の偏差値は四〇を下回っていました。当初、大変な生徒を受け持つことになってしまったな、と感じたものです。しかし、生徒ができるレベルまでさかのぼり、一つひとっていねいに問題の解き方を教え、演習をしていくと、しだいに生徒の表情は明るくなり、自分からもっと問題を解かせてほしいと言い出します。特に因数分解が苦手だったので、小学校で習う分数のところまで戻り教えていくと、予想をしていた以上のスピードで問題を解くようになり、ニヶ月ほどでつまずいていた因数分解の単元までたどりつくことができました。そして、それ以降の学習のスピードは、逆に速くなったのです。この生徒の偏差値はやがて五〇になり、3年の秋には五五に、そして高校受験のときには六〇を超え、第一志望だった私立高校に入学することができました。苦手だったはずの数学で高得点をとったことが合格の大きな要因になったようです。
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